KANDA SEED LIFE 2018-2019
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日本のメロンは歴史と風土が育んだ「食文化」。「メロン」(甜瓜)はアフリカが原産だが、元・大阪府立大学教授の藤下典之先生によると弥生時代前期には大陸から日本に伝来していたという。『古事記』や『万葉集』にも「うり(まくわうり)」にまつわる記述があり大阪の難波宮遺跡からも大量の種子が出土している。現在の「ネットメロン」は、19世紀末から20世紀初頭に海外から導入された品種を 源流とするが、日本の高温多湿の気候風土には適さず、栽培に苦労した。現在、私たちが味わうメロンは、その後、数多くの育種家により生み出された「日本に適するメロン」なのである。ところで、むかし懐かしい「まくわうり」も、見事な外観の「ネットメロン」も 植物分類学上での学名は同じCucumis melo L.。高級感のある「メロン」も、神話の世界に登場する「まくわうり」も同じ仲間であり、長い歳月をかけて私たちの社会に根付いたかけがえのない「食文化」のひとつなのだ。

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